SUNのブラックボックスと農業

そろそろ農業もモジュール化、ネットワーク化するべきなんだとおもう

 SUNマイクロシステムズがブラックボックスと呼ばれる移動可能なデータセンターを開発したようです。

サン、輸送可能なDC“ブラックボックス”を披露 - ITmedia NEWS

 僕はあまりサーバーとか、データセンターに詳しくはないので良くはわからないですが、おそらくデータ保管庫と演算能力を規格化されたコンテナに詰め込んで『モジュール』にしたんだと思います。


 で、今回はサンのブラックボックスと農業がどんな関係があるのかということについて書きたい。というかこのサンの哲学がどう農業に役立てられるか考えたい。
 現在の農業は大半が太陽光をもちいた露地栽培です。なので太陽光が少なかったり、気温が低かったりするといっせいに収穫率が悪くなります。植えつけている作物も同じような特性の株を植えつけるので病気が流行ってもいっせいに収穫率が下がります。いうなれば一つのハードディスクに全部のデータを入れている状態で、たった一つのクラッシュですべてのデータ(収穫)が吹っ飛ぶようになってます。
 こういう状態が好ましくないのは目に見えています。農作物価格が乱高下しがちなことからもよくわかります。
 ではどうすべきかというとJavaの仮想マシンみたいに『仮想農地』を作ることだと思います。
環境の変化を吸収して農作物に対して均質な環境を供給できるマシンです。
 具体的には以下のようなものになると思います。

・高分子ポリマーによる無菌土壌
・人工光源による適切な出力、スペクトルの光
・栄養、pH管理された水
・自動化された播種、収穫システム

これらのシステムをサンのブラックボックスみたいにコンテナに詰め込みます。
 このコンテナは電源と水、少量の無機塩類さえあれば24時間稼動して連続的に作物を供給できます。太陽光や気温、病害に収穫が左右されることはありません。コンテナ内を無菌にできればまったくの無農薬栽培も可能です。
 もちろん無菌状態というのは汚染される危険性がありますが、コンテナ化されているので一つのコンテナをあきらめれば病害のひろがりは食い止められます。最初から少量の農薬を使えばこの危険性もかなり減らせます。

 ここまでだと今流行りの『植物工場』です。
 たしかにこのシステムはコンテナ化された植物工場にすぎません。しかしモジュール化された植物工場です。コンテナなので増設、栽培品種変更も簡単。被災地や紛争地域に輸送して使うこともできます。サンのブラックボックスとまったくいっしょです。
 またこのコンテナをネットワーク化すれば非常に効率的な作物栽培ができます。コンテナを連結し、作物価格の上下にあわせてコンテナごとに栽培品種を変えることで高い利益を上げることができます。また作りすぎて作物を廃棄するという悲劇もなくなるでしょう。
 コンテナを個人所有して自宅サーバーならぬ『自宅植物工場』を構築することも可能です。外部の影響に左右されない食糧供給すら可能になるかもしれません。

 以上、ブラックボックスから考えた妄想でした。