ショートショート

『花火』

夏の夕方。 ふらふら町を歩いていると、小さな露店があった。『花火の押し花あります』

『投票』

投票しよう。時間という票を、お金という票を、労働という票を。

『海』

やった。ついにやったんだ。 オレはついに抜け出したんだあの狭苦しい地獄を。 きっとあのよくわからない衝撃がオレをあの地獄から外へ連れ出したに違いない。

『勲章』

『ガンで死ねるなんて名誉なことだぜ』そう彼はいった。『野生のシマウマがガンになってみろ。ガンで死ぬ前にライオンに食われちまう。ライオンがガンになってみろ。ガンで死ぬ前にシマウマを捕まえられなくなって飢え死にしちまう。ガンで死ぬっていうのは…

『箱庭』

テントの中の静かなひととき。ランタンの明かりがぼんやりと手元を照らす。 僕はグリースを引き寄せて黙々と作業を続ける。 この銃は弾が詰まりやすい。僕のだけじゃなくみんなそうなんだそうだ。このモデル自体がそういう宿命を背負っているのか,あるいは…

『投票』

「もうすぐ誕生日だね。何か欲しいものはある?」 「ん〜。特にないな」

独白

私がなぜ女性と付き合えないかって?う〜ん。どうなんでしょう。そりゃあ、お付き合いは一人でできませんからね。相手あってのことなので私だけのことではないんですが・・・強いて言えばそう、私が女性のことが大好きだということですね。

「あーもう。めんどくせー。ファッションとか考え出した奴マジ何なんだよ。服なんか着られりゃ十分だろ!なんだよセンスって」「もう。そんな事言わないの。せっかくの結婚式じゃない。新郎は親友なんでしょ?失礼にならないようにそれなりに着飾らないと」

『疑問』

「なんで人を殺しちゃいけないの?」まゆみはまっすぐこちらに視線を投げかけてくる。悪意はない。単純な疑問だけが視線の中に見える。 「べつに人を殺しちゃいけないなんてことはないんだよ」俺は正直にそう答えた。「え、そうなの?」

『死後』

『霊は存在するのです。そうあなたの近くに』 ばかばかしい。オレは吐き捨てるようにテレビのスイッチを切った。 最近の『スピリチュアル』とかいうブームを見ているとイライラする。 うさんくさい自称『セラピスト』が何も分かってなさそうなタレントに前世…

死ぬな!勝ち誇れ適者!

死ぬな!また『もう死のう…』とか考えただろ!死ぬな!もう一度繰り返す。死ぬな!

小飼弾氏はカーボンオフセット取引対象になるかも

最近地球温暖化についての議論がされています。 いまのところ地球温暖化は人為的なものであり、その犯人は二酸化炭素であるということになっています。*1二酸化炭素=悪人みたいな構図が良くみられます。 では二酸化炭素はなぜ悪者になってしまったんでしょ…

『格言』

「なあ『満足した豚より不満足なソクラテスであるほうがよい』ってことばがあるよな?」「ん?たしかにあるね。その言葉がどうかしたの?」

『鍵』

今日は言葉の工作をしました。テーマは題名と同じ『鍵』です。

『排出権サミット』

前回のエントリーはあまり工作っぽくなかったので、今回はショートショートを書きました。 『排出権サミット』 やわらかな光が差し込む会場が一瞬ざわついた。 くつろいでいたレポーターたちも臨戦態勢に入る。 『えー、いまから会見が開かれるもようです。…

 ゲーム

もう終わらせよう。 こんな人生は生きている意味などないだろう。

規制 

朝起きると、郵便受けに五通の手紙が入っていた。手にとってみると、お決まりのダイレクトメールだ。マンション、健康食品、保険に墓石の広告。どこで住所がわかるのだろう。そのことにむしろ感心してしまう。

刑罰

「日本で一番重い罰はなんだ?」「そりゃあ死刑じゃないっすかね。極刑っていうくらいだし」

大人

管理しやすいようにした ショートショートが管理しやすいように『ショートショート』+『題名』という感じでタイトルをつけることにしました。 では今回のショートショートです。 『大人』 「お父さん、大人になるってどういうこと?」 「そうだな。大人にな…

『探偵』

私はだれなんだって? それは単純です。私は探偵。 頼まれてここにやってきました。おっと、探偵といっても浮気調査だとか、行方不明者探しとかそんな泥臭いことはしません。知的労働専門です。わずかな証拠と緻密な論理を組み合わせて事件を解決に導く。そ…

『土地』

メールをチェックすると、いつも通り何通ものジャンクメールが入っている。『素敵な出会い』、『リバウンドなしのダイエット』、『まったく新しい金融商品』。 代わりばえしない文言が並ぶ。一瞥してすべて削除しようとしたとき一つだけ目をひくメールを見つ…

『午後』

「実際には日本は安全なのです。」 壇上で社会学の教授が講義をしている。 僕は机に突っ伏したまま薄目を開けて教授を見た。午後の日差しがやわらかに差し込んでいる講義室はうたた寝に最高だ。かろうじて目を開けながら、僕は講義を聞く。昼ごはんを食べ過…

『ランプ』

「やあ、何をしているんだい?」 啓太は、ろうそくの炎を見つめている裕樹に向かって話しかけた。 「ご覧の通り、炎を見つめているのさ。この炎が話し出さないかと思ってね。」 何事もないように裕樹は答えた。 「おいおい、どうしちまったんだ?火が話し出…

超短編小説(ショートショート)を書いてみた

このブログは『工作ブログ』と書いていますが、あまり工作っぽいことはしていません。僕は工作が大好きなので工作っぽいことをしたいです。僕が言う工作は以下のような事です。・有限個の要素を組み合わせてある ・(自分にとって)新しい意味や価値を表現す…